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鈍感紀行

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11/28/15:40
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04/19/23:42
東日本縦断(2)

後期試験が終わり、合格を確信して横浜から東京へ。
電車の音さえも俺を祝福しているかのように聞こえる。
東海道線の電車が川崎を過ぎ、多摩川を超え、丸の内のビル群が見えてきて東京に到着。
えーと、御徒町やから山手線の内回りか京浜東北の北行きか。
御徒町で銭湯に入る。
極楽。タイル絵は立山だった。
その後百均で衣類の圧縮袋を買い、松坂屋を眺めつつ兄をまつ。
兄がやがて来て、御徒町の平禄寿司で食べた。
ここのビントロは犯罪的に旨い。
その後ぶらりぶらりと上野へ歩き、翌朝の軽食を仕入れてホームへ。
ロープが張られ、撮り鉄が多くいた。
俺これ乗れんのか?

機関車と青い客車が轟音と共に入ってきた。
北へ向かう寝台特急、あけぼのである。
写真は気になるならネットで探しましょう。
自分の寝床に荷物をぶん投げて一休み。
ホームで車両の写真を撮っている人もいる。
「自分が被写体になったみたいですね」
と向かいの寝台の人に話しかけてみた。
「そうですね」と苦笑い。

長い汽笛の後、ゆっくりと動き始めた。
大都会の夜を旅情を載せて走る。
街の明かりが後ろの方へ流れ行く。

向かいのご夫婦と話が弾んだ。
大変面白いお二人だった。
高崎に着いて少し止まる。
ホームにいた赤ら顔のおじさんと目があう。
・・・出来上がっとる、このオッサン。
その隣に新規格の軽自動車くらいの大きさの女が電車を待っていた。
向かいのおじさんが話を振ってくる。
「なんだあのデブい女は」
「だるまやないですかね、高崎名物の」

ところで、青森から東京へ向かうあけぼのとは長岡を出たあたりですれ違う。
その瞬間を見ようと起きていた。
あれだろうか。
その途端、光の矢が目の前を窓越しに飛び去っていった。

少しまどろんだ気がしたが、目が覚めると酒であった。
北国の朝である。
辺りはもう雪深い。
そしてすき間風がとっても冷たい。
寒さで起きたのである。

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