鈍感紀行

平仮名で書くと凄く間抜けな感じだ。

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ある晴れた夜のこと。
多分祭りの後か何かなんだろうね、浮かれた感じで家に帰っている途中。
あれは確か俺の住む家のあるマンションの中庭と称される広場の道を曲がろうとした時。

いきなり俺の左に車(白のバン)が停まり、中から全く知らない人が二人出てきた。
何だろう、と思ったが家の方向へ進むとその二人組(AとBにしておこう)が俺の前に回りこんだ。
BはAの後ろから俺の頬に強烈なパンチをくれた。

もちろん咄嗟の不意打ちに反応できるほど俺は敏感ではないので、とりあえず車の方向に逃げた。
Aは10M程離れた位置から俺に罵声を浴びせた。
奴らが道をふさいでいるので俺は家の方向へは進めない。
さらに奴らは俺よりも俊敏な動きを見せているため、俺が迂回路を全力で突破するのも無理な話。

車で逃げようとしたら後ろから昨日商店街の近くで走行中の他人の自転車のタイヤがパンクしたんだが、
それと全く同じような音がした。
何の音でしょう。
A,車のタイヤがパンクした
B,奴らが銃を持っている

答えはBだった。そんなのありか、反則だろ、おい。

俺はそう判断したので、奴らのスキをついて突破する作戦にした。
今思ったら相当にトチ狂った作戦。

Bが後退し、Aが左に移動したとき、右方向へ駆け出した。
その瞬間、ABが俺の行く手を阻まんと右へ移動。
その後、BがAの背後から俺の頬を殴った辺りで記憶が無い。

次にある記憶は、病院の大部屋にあるベッドの上で休養している場面だった。
特に誰それが見舞いに来てくれた、というのも無く。

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遠くで電話のベルが鳴っている。
ようやく現実世界に戻ったのかと、この奇妙な悪夢をどうするのか考えていた。

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